[IrCl(cod)]2
数年ぶりに合成してみましたが…こんなに色が違ったのですね.
この量でも市販品を購入すると6〜7万円くらいでしょうか.
右が6年前あたりに合成したもので現在も研究室で原料合成に使用されているもの.
左が今回合成したもの.
初めて合成したときは今から13年前で,そのとき確か学生に「俺の使っている[IrCl(cod)]2と違う」と言われた.
おそらく経年劣化の問題なのかとは思います.
土産屋にある「星の砂」みたいですね.
これが新品の[IrCl(cod)]2です.
市販品を購入したり,研究室に転がっている[IrCl(cod)]2を使用する場合,比較してみてください.
焦げ付いた色合いが出始めた[IrCl(cod)]2は,配位子を加えても完全溶解してくれませんでした.
ただし反応自体に対する活性はまったく問題なく,反応時間も文献通り.
完全に溶解してくれないということは,やはり別物に部分的に変換されてしまっているということ.
反応の厳密な制御には問題も出てくるかと思われます…
ご参考までに.