Instruments

遠藤グループ所持の実験器具,測定装置等.

                                                                                 

1. エバポレーター

(2012年1月〜2014年5月)
エバポ1

来年度にアップデート予定.現在は実験台を一部占領してしまい,サイズが小さくても邪魔という感覚がある.

沸点150℃程度までの溶媒を除去可能.セット品ではなく,部品を合体させたため,減圧到達度はそれほど良くない.

 

(2014年5月〜)

KC4D0293

ビュッヒ製.10年前のエバポレーターと比較すると,けっこう改良されている.

よく見るとこれ,1台に2つのエバポレーターを設置できるのでは?

古いアナログシステムよりも,エバポに対するストレスが少なくて済む.

 

 

2. マニホールド

manifold

反応容器の減圧,アルゴン置換用.細やかなテクニックを身につけると将来,役立つと思われる.

反応は,主にシュレンクを用い,アルゴン雰囲気下で処理.場合によっては,空気中で適当に反応させても問題ないこともあるので,よく考えると手間も省ける.

 

 

3. 並列反応装置

SN3T0216

タコヤキマシンと呼ぶ人もいる.最高200℃,または300℃まで加熱しながら,同時に8本の反応管を設置可能.

12本並べるアルミブロックも作成可能と思われるが,12本も回っている光景を,あまり見たことはない.条件検討で一気に8本の反応管を設置することもある,はず.

目指せ年間1000実験.

 

 

4. HPLC + GPC(島津製作所)

(2012年8月〜2014年6月)

HPLC

高速液体クロマトグラフィー.要するに,カラムの特殊版のようなもの.

我々の場合,基本的に,光学活性体の分析に用いることが多い.

 

(2014年6月〜)

KC4D0018

新たにGPCのためのカラムオーブンと示差屈折率検出器RIDを追加したもの.HPLCと違う点は,実際には異なるカラムと溶媒を用いる程度かもしれない.これで高分子の分子量の解析が可能になった.

ポリマー素人的に曖昧にしか理解していない点があるため,専門家に問い合わせたりする必要性あり.

本格的にポリマー扱うならMALDIがあると便利かもしれない.金沢大でMALDIの存在を聞いたことがないような…

 

 

5. GC-MS(島津製作所)

GCMS

GCを通し,化合物を分離した上で,質量分析計に通すことで,化合物の質量を検出.

GCを通す場合は,分子量600程度までが限界かと思われるが,とにかく便利.だが,なぜか遠藤以外の使用者はほとんどいない.実際,遠藤も昔は,その有用性には疎く,GC-MSのメンテ担当者でありながら,あまり使用していなかった.

 

反応の進行が即座に判断できるので,TLCと合わせると強力なツールになる.分子量の上限さえクリアできれば,個人的には重宝している.

反応追跡TLCを上げた後に,スポット部分をシリカゲルごと削り取り,溶媒で抽出してGCMSに打ち込むと,そのスポットの分子量が出てくるため,TLC上のどのスポットが目的物か判断することも容易.

 

ヘリウムをキャリアとして,HPLCと同様にカラムを通して化合物を分離する.そのため,化合物の沸点が重要.

イオン化法はEI(Electron Ionization)で,かなり強力な部類.強力なので化合物が分解(フラグメント)することが多い.ただ,分解しやすい化合物でも,ギリギリ親イオンが見える,と思う.

 

イオン源に,直接試料を導入することで測定することも可能.最大質量数は1000程度まで.

 

 

6. ESI (APCI)-TOF-MS (Bruker Daltonics)

ESITOFMS

MALDIと並ぶ,穏和な条件下でのイオン化と質量分析が可能なマシン.サンプル打ち込みチューブがアホ毛っぽく見えるのが個人的に好みとか.

ただ,ESI(Electro Spray Ionization)は穏和なイオン化法であるがゆえに,官能基が化合物についていないとイオン化されないこともある.

ちなみに,試しに芳香族系の炭化水素を打ち込んでみたが,まったく検出されなかった.

 

そういう場合,APCI(Atmospheric Pressure Chemical Ionization)大気圧イオン化法によるイオン化も可能.

 

APCIイオン源

KC4D0004

ESIからAPCIへとイオン源を変更した写真.こちらは中〜低極性化合物に適したイオン化法.

APCIのイオン源は200万超という,けっこうな価格である…しかし,どうしても欲しかったので導入に至る.

 

特に酸素官能基を持たない化合物など,ESIではイオン化されず検出不能というケースもあるが,APCIでは炭化水素でもイオン化可能.APCI導入以前は極性が低い化合物の検出が困難であったため,重宝している.ESIでは,まったく検出されなかった,芳香族系炭化水素化合物が綺麗に検出される優れもの.

ちなみにどうでも良い話だが,APCI用のケーブルを差し込んだら抜けなくなった.イオン源の交換は可能だが,ケーブルが突き出たままなので,なんだか邪魔である…

 

基本的には質量数4000まで.多荷イオンが出れば20000まで?

精密質量分析が可能.論文に必要なデータが短時間で得られる,という点でも重宝している…が,荒っぽく使用されると困るので,今のところグループ以外に解放はしていない.グループ以外で使用したい場合は,学生に測定依頼のこと.

 

APCI Direct Probe

KC4D0055

個体サンプル,サンプル付着シリカゲル,液体でも測定可能なシステム.DARTに似ているといえば似ているが,こちらはガラスキャピラリ管にサンプルをつける必要がある.

DARTのイオン源を,このTOF-MS用に作ってしまえば良いのでは?とも思うが,何か技術的な違いがあるのだろうか…

いずれにせよ,あとはCold Sprayがあれば,このTOF-MSのシステムは,ほぼ完成かもしれない.Cold Sprayの用途は我々には今のところないし,けっこう高額という理由で導入予定なし.

 

ミリマス測定

ESI,APCI,Direct Probeのいずれでも測定可能.基本的には,測定開始 → 標準物質測定 → そのまま目的サンプル測定 → 測定終了,とすることで,1つのデータファイルに標準物質と目的サンプルのデータを収め,ソフトウェアにてキャリブレーションすると楽.

ただ,イオン源周辺が汚れ始めるとキャリブレーションが合わなくなってくる.キャピラリ,ニードル,イオン源の洗浄で解決する傾向にあり.

 

7. Single Crystal X-ray Diffraction

KC4D0242

BrukerのCMOS D8 QUEST ECO.価格,感度,拡張性,空冷,保証期間,メンテナンスへの対応…といったあたりで選択.

まだまだ,よくわからないことが多いので,使用状況に応じてアップデートする予定.

 

 

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