コストを動かす人間がリターンを得る訳で


世の中,2つのパターンしかありません.
自分が主軸として,世の中に影響力を発揮する方面に回るか,世の中の影響を受ける一方か.

これは研究業界であれば,その素養が,すぐわかります.
「学生時代に論文を量産する」というのは,オマケにすぎません.

1. 物事を改善すべく行動し,空回りしていても工夫を繰り返す学生.
2. 逆に,1の学生に反発だけして対案がない学生.

基本的に,研究業界での影響力を発揮する立場といえば,単純作業ではない仕事に従事する,これに尽きます.
単純作業は重要ですが,代替はいくらでもいます.他の人が取り組んでも良い内容で,その作業を担当する人間が動かせるコストは,たかが知れている.

A. コストが高い仕事
B. コストが低い仕事

コストが高い仕事は,地道な工夫の積み重ねにより成立します.単に,与えられた環境を改善する労力を厭うようであれば,まず無理です.
結果的に,1の学生が,将来的に,Aに従事する展開になんら驚きはないわけです.
コストかかる = 責任が重い = 改善を永久に続ける.

研究業界の単純作業とは何でしょう.
間違っても「基礎研究」ではありません.基礎研究は,コストがかかります.

単純作業は,面白くはありません.責任も薄いです.リターンも少ないです.
就職したけど仕事がつまらない,と言っている卒業生は,結構います…
単純作業に回ったケースです.

就職活動での内定時などには,どういう展開になるか予想がつかないことも多いですが,少なくとも,Bの場合は,自分の希望が反映されることはないでしょう.

どちらが良いかは,人それぞれですね.
改善を試みるのが面倒,ずっと同じことで良い,というのであれば,Bでも問題ないかと思います.
しかし,わざわざ修士まで得ていれば,何か思うところがあるのでは…
Bは修士である必要性がなかったりするし,学士である必要性もなかったりします,内容だけ考えると.

結局のところ,Aの仕事は代替が難しい.Bには代替がいくらでもいるし,切り捨てやすいのです.

たかが大学の研究室ですが,どういう道をたどることになるか,普段の振る舞いで,もう解答は出ているのではないでしょうか.
変わるなら,今しかないのです実際.

なぜか?
社会に出たら,成長する時間なんてありません.
土台が身についている人間は,就職後から,すごい勢いで登り始めますが,土台がない人間は,社会に出てから土台を作り始めます.
しかし,働いているので,勉強する余裕が,あまりない.
そして,ようやく土台が完成する頃には,30歳が目前.
登る体力がないのです…いつまでも若いつもりではいられません.

なお,30歳までが,勝負です.
この辺りまでに全力で走り,後は,その勢いを,可能な限り削がずに定年まで.
30歳あたりまでの最高速度が,人生を決めかねない,そう考えておくと良いです…そんなわけないと思った人は,のちに,実感することになるかと.
実感した時には,もう遅いのですが.

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