これから研究室配属をする人へ

ふと気になった点があるので,今後,キャリアを積む学生に向けて,改めて伝えておかねばならないことがあります.
個人的な感覚に過ぎないので「違うだろ」と思えばスルーすれば良いでしょう.

研究者を目指す上での基礎を養うには,最低でも以下の点を意識する必要あり.

1. 現状を資本として何が自分なりに工夫できるか必死に考える.

現状がいかに駄目で外的要因により自分では解決できない,などと考えても何も変化しません.
「できない言い訳」を探す人間は,とにかく前に進めない.
どうやって,現状を足場にして,自分の目的を果たすか,考えて実践して解決する.
この行動こそが研究と同じ足跡をたどっていることになる.
結果,何らかのブレイクスルーを生み出す力になります.

つまり,環境が恵まれていても,そうでなくても,やることは同じってことです.
環境が恵まれているなら,恵まれているなりの努力が必要.

2. 普段の行動パターンや勉強法,実験法など,自分で考え結論を出す.

他人から与えられたアドバイスに従うと,そのアドバイス内容が劣化した程度に成長はします.
要するに,自分が求めていた何か漠然としたものに打ち勝つレベルには到達しません.
だから,独自の手法を生み出しモノマネ不可能な個性になるほかないのです.

そもそも,自分で結論を出せないなら,どうやって研究するの…?
ここに書かれていることも,アドバイスでは?と言えるので,他に自分なりのプラスアルファを考える必要あります.
それは特に難しいことではないでしょう.

3. 無駄だと思うことが無駄

本当に紆余曲折あり,他者から見ると,くだらないような悩みなども含めて自分で処理することでしか,個人の目指す道は見えてこない.
断言しておきますが,研究は一見すると,本当に無駄(うまくいかないこと)だらけです.
しかし実際は,うまくいかないことを積み重ね「駄目だった結果」にとどめをさし,次の展開に向かうことで好意的な結果に至る.
ここに無駄はあるか?…どう考えても,ありませんね.

4. 悩む,迷うのは当たり前

自信に満ちあふれているなら,自分を苦しめる道に進まなければ成長なし.つまり,必ず,悩み,迷うものです.
そもそも悩まない,迷わないなら,研究する意味ないです.
何らかの課題があり,その課題解決に取り組む過程は,悩みと迷いしかありません.

5. 他人の成功体験は無視しろ

とにかく,受け入れては駄目です.まず役に立ちません.学ぶ事はあるかもしれないけど,同様に実践しようとしても単なる異物を無理矢理に自分に同化させようという試みになる.
たとえばAという研究目的にて成功した人の体験談を,Bという研究目的を持つ人が取り込みまくって成功するのか?という.
AとBの間には,様々な違いがあり,同じアプローチで達成可能ということは考え難い.

6. 論文を読んで思いついたテーマは可能な限り排除

これは絶対ではないし,可能性も否定はできません.
しかし第三者が,ある専門家の論文を読み,閃いた研究内容は,多くの場合,論文の著者は気づいている.
または,閃いた研究内容は,自分の時間を費やすには,重要性が低くモノマネになってしまうことが多い.
予定調和に逃げるなら研究しても仕方ない.

7. 成績が良い = 良い研究者 ではない

何をもって良い研究者と定義するかさえ不明ですけど,テキストに強くても,研究提案ができなければ,何の意味もありません.
成績優秀者は,必ずしも研究で大成するとは限らないと自分を戒め,取り組んだ方が良い.
自信がある成績優秀者ほど,研究業界に入ったときのダメージが大きいです.

だいたい以上です.
どうでしょうか.
研究室配属で「教えてもらいたい」という姿勢の人は,基本的に研究に不向きです.その境目が難しい.
実際に教えてもらうことにはなりますが,教えてもらうという受け身ではなく,奪い取るという攻撃的姿勢が本来あるべき姿です.
自分の能動性がすべてを決める,と考えて,行動に移したほうが良いでしょう.

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