Broad Interestと多様性

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だいぶ時間が経過したので,論文は,門前払いにはならず審査に回ったことだろう…最近,合成とか不斉の論文数が,かなり減少傾向にある雑誌です.

ただ,最終的にrejectになる場合は,門前払いと結果は同じ.さて,この審査に回ることさえない門前払いの基準は何なのでしょう.

 

最近は,どのジャーナルでも「門前払い」システムがあるような気はします.それぞれの基準を考えても対策が思いつくわけではありません.

ただ,ほとんど同ランクのジャーナルにおいて,片方では門前払いを受け,その後の投稿で,もう片方はあっさり審査を経由してacceptになることが少なくない.この理由がわからないので困ります.

たとえば,△の最初の論文はAngewにて審査員が「メカニズムには重要な点が多くAngewの基準を満たしている.でも基質制約が大きいから他の雑誌が良い」だったのですが,Organic Lettersでは「こんなに基質の制約が強い論文は初めて見た」と一瞬で突っぱねられました.もっと基質の制約が激しい例なんていくらもであるだろ…と思いましたが.次にEur. JOCに投稿したら,すぐ採択.

よく登場する文言は「broad interestではない」という理由です.実に都合の良い言葉,この「broad interest」って何だ,という疑問が次に出てきます.

 

たとえば,有機化学の特定の分野に限った内容となる場合は,確かに特殊な焦点を持っているので,broad interestとは言えないでしょう.

といった感覚的なものは誰でも理解できるはずですが,反応開発だと1)達成困難な反応,2)生成物が新規,3)合成価値の高さ,4)汎用性,5)合成価値を示すデモンストレーション…あたりを満たせばbroad interestでしょうか.

今回は,これらを満たしているのですが,6)メカニズムが面白い,を要求されてしまうと,厳しいかなと.

日本人が,外国の雑誌に投稿すると,バイアスかかる気配ですから,純粋に評価を受けるわけでもない,という点を特筆せねばならない.

refereeが全員acceptと言っても,associate editorがrejectとすることもあるようです.さらに,refereeでaccept 2とreject 1だと,reject率が高い…遠藤も,これを食らっています.

refereeのコメントは一体なんだったのかと思ってしまいますね.

 

本質的にbroad interestだという研究が主軸になるよう,これから頑張ろう.

 

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