ついに投稿目前!

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先の写真は奥様からの頂き物です.3月14日が近い…

 

英文校閲が戻ってきたので,あとはNMRデータの改訂を終えれば投稿となります.

この論文の立ち位置は難しいなぁ.数年前なら問題ないと感じたかもしれませんが,最近の雑誌は審査基準も曖昧だし,合成論文はbroad interestという名目で審査に蹴られる可能性もある.

たまに食らう門前払いだと悲しいものですよ.

 

結局,2年くらいかかりました.当時は1年で終わるだろう,と思っていたものです.ついでに,一応,金沢での実験だけでまとまる予定であったのですが.

なんだか苦労したものです.誰か先に報告してしまうのでは,とか考えると常に憂鬱なので,ひとまず先行できそうで安心…いや,acceptされるまで安心できない.

 

不斉は時間かかります本当に.特に,過去にない合成標的であったりすると,細々としたチューニングが要求されるし,HPLCで光学活性体の分離条件を当てるまでに時間がかかる.

不斉が関係ない反応のデータ集めは実際に楽です.もう少し,不斉で98% eeを叩き出す苦労を汲み取って審査して欲しいものです.

 

STAP細胞の件や,近年のNMRチャート改ざんの指摘等が我々の論文以外で出てきているので,自分の過去の論文を改めてチェックしています…

某国の論文は,数年前は,けっこうNMRチャートとかおかしかったですけど.それで審査rejectにしたこともあったなぁ.

HRMSのデータが「すべての化合物で完全合致」という不自然なものもありました.まぁ確かに,ESI-TOF-MSなんかでは,ずーっとデータを取り込んでいれば,完全合致することはありますよ.しかし,あえてそれをピックアップする必要性はあるか?…特にないので,すべて完全合致,というのは,なんだか不審に思われるかもしれない.

HRMSについて,データが怪しいからチェックして,というコメントをつけて戻したら,以降,その論文が掲載されているのを見たことがない…

 

その他,NMRチャートに明らかに大量の溶媒が混入しているのに「収率>98%」と堂々と書いてあるケース.これもrejectにしましたが,行方知れず.ただ単に「溶媒がたくさん入っているので,収率を確認してくれ」としか書かなかった.

いや,少しは溶媒が入ってしまうこともある.それくらいは問題なしと判断されることが多い.しかし溶媒ピーク強度が目的物と同程度ってのは,さすがになぁ.

 

そもそも,学生から提出されたデータに少しでも問題なかったかなとか考えると,きりがありませんね.

なお,自力でNMRチャートを見ても,手が加わっているかはよくわからない…明らかに怪しいのがあればわかります.ピークが消えていれば,切り株状に痕跡が残るだろうし.

そこまで巧妙に手を加えるくらいなら,しっかり精製した方が早いし楽だし,正確なデータに研究者としての気持ちも晴れやかだ.

 

MSとかのデータは,見やすさを重視して,ピークは消してませんが,少し手を加えたりしています.

古いMSマシンのチャートをスキャナで取り込むと,m/zのXXXX.XXXXの数値がかすれて見づらかったりするから,そいつらを綺麗にしてみたり.

あれも,しっかりpdfにしてもらえば良かったかなとは今さら思う次第.古いマシンのソフトの都合で,フォント拡大とかできなかったりしたから,難しいかもしれないが.

 

過去に投稿してきた論文のSupporting Informationを見ていると,古いのは,どうにも汚いな,なんだか.

スキャナで取り込みがうまくいかなかったり,データ量が増えすぎるので画質を落としたり,とにかくデータ量との戦いであった.最近は,スキャナで取り込んでも,画質をある程度は保ってデータ量を落としている.

あと,NMRのサンプル濃度は守ったほうが良い…カーボンなら,むちゃくちゃ濃度を上げても問題ないこともあります.これは化合物の性質に依存しますね.

 

結局,指摘されたら対応する,くらいしかないですね.

 

金沢では,まだまだ雪が降っています.早く気温が上がってこないものか.

4月に入らないと試薬も買えない,しかし,4月には学生実験が始まります.今時,物凄い量の学生実験を課される学生には少し同情します.

正直なところ,研究室で集中的に実験してもらえば良いんじゃないでしょうか.なぜか?…あまり大きな声では言えない運営方法なのですよ,学生実験は.

大学に問題があるのですけどね.いや,本当に,研究室で実験してもらったほうが良いな,考えれば考えるほど.

 

来年度は,今年度よりは雑用が少ないはずなので,少しは実験が進むことだろう.手が空いていると思われて,雑用が回されてくる危険性もあるなぁ…

 

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