アンケート経過

KC4D0107

今回は,なかなかアンケート投票が増えませんね…

 

大学院は...

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大学院入試は,大学入試よりも,相対的には簡単だと思われています.基本的には自然科学系なら,自然科学系の科目だけ勉強すれば良い,とかいう理由かもしれません.そのような理由から,大学院から入って最終学歴を変えてしまおうという試みが流行しました.

結局,それは「見た目」に過ぎず,就職する場合は「学士を得た大学名」で評価を受ける傾向にある,ということを,現4年生は知っているでしょうか.さすがに情報が出回っているので知っているかと思いますが,学歴ロンダリングは,それほど効果を発揮しません.

ただ,日本以外では,学士を得た大学から,大学院は移動することが一般的ですので,そのような感覚で移動した人には,学歴ロンダリングなどと言われる筋合いはなく,どうでも良いことでしょう.

 

大学入試と異なり,大学院入試には,決定的な違いがあります.それは「受け入れ希望研究室が拒否する」という可能性です.大学としては修士課程の受け入れ人数に余裕があっても,研究室のキャパシティを越える場合は受け入れようがありません.「外部受験者に人気のある研究室」は「内部進学者にも人気がある」ことが大半で,内部受験者が順当に大学院に進むと予想したとき,受け入れ人数を超過する場合は「たとえ1人の超過でも」受験さえできません.

「自分の希望通りに受験資格が得られない可能性」を前提に,外部大学院受験に取り組みましょう…最近では,色々な理由から,外部受験者を受け入れないケースも出てきました.

自然科学系の場合は,実験スペースの都合が1つ挙げられます.これを厳密に規定すると早○田の場合はスペースが凄まじく狭いので,現状の配属人数の半分くらいが妥当でしょう.金沢の場合,遠藤の所属する研究室は現状の人数が妥当でしょう.この研究室は,与えられた部屋の使い方を見直せば,25人までは入れるかと思いますが…正直,無駄が多い.

 

もし大学院移動による明確なメリットを日本で受けたいなら,博士号を得ることです.修士号の修得要件は,どの大学も似通っているのではないでしょうか.論文を出さねばならないという縛りも(たぶん)ありません.これまで見てきた限り修士で出られない場合は,よほどの不都合があるときだけです.若干失礼ではありますが,あくまでも「量産型実験技術者を提供する」という意味合いしか修士にはないのでは,という感覚さえあります.基礎が身に付いて,その基礎を実践する行動力があれば,修士獲得は難しくありません.しかし,博士号については,評価基準は大学に依存しますし,結局は教授が納得しなければ修得できないのです.

そのため,博士号には明らかに意味があります.大学院は移動した,でも修士で卒業して就職しよう,という人は,学士を得た大学名で判断される可能性が高い,ということは頭の片隅に入れておきましょう.そうなると,そもそも大学院で移動する価値は「博士号をとる」という点にあります.ちなみに,絶対的に優秀ならば,大学名は関係なくなります.それは面接などでわかってしまいます.

ただ,インパクトファクター0〜2の雑誌に論文を1つだけ投稿して博士を得る地方大学は,基準をどうにか見直すべきです.それで良いなら,遠藤の下についた修士卒の学生は,追加3年という時間さえかければ絶対に博士号を獲得できただろう,という話になる.

 

まだ数は少ないですが,現時点での集計は,大学院で移動した人は半数.移動したら,博士号を得たほうが有意になるでしょう.わざわざ移動までしたのです,それくらいの意気込みはお持ちでしょう.たぶん.

 

ちなみに,あまり公ではありませんが,アカデミックキャリアを積む場合も「学士を得た大学名」が重視される傾向にあるので要注意.助教や准教授には,それほど影響がない,と思っても良いでしょう.ところが,教授については影響度が強いようです.今後,この流れも変わってくるかもしれませんが,念頭においておくと心の準備もできるというものです.

 

次は先々の目標ですが…博士卒で大学教員を目指す人が割合としては少なくありません,不思議なことに.これは将来有望?

現在の目標(集計開始2014.1~)

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大学にて研究に取り組むという魅力の前に,給料など霞んでしまう…ともいかないのが,人間です.いや,少なくとも家族は低収入を受け付けてくれません…

ざっくりと実体験を解説すると…遠藤の場合は,日本学術振興会の特別研究員にはDC1からPDまで5連敗しているので,実にしんどかった.論文を出してもDC1やPDに通らない…確か東大理学部化学科の同期が1人も通らなかった年もあったような…あの当時は何かがおかしい.

学生の頃から収入には恵まれていなかったため,ポスドクや助教時代は,個人的にはそれほど違和感なく過ごしました.いや,常に金欠で困っていたので,楽な時期を知らないだけ.

とにかく反骨精神で来ています,ここまで.一泡吹かせてやろうという感覚でした.まだそういう感覚は続いています.

 

大学教授に到達する実力を備えるなら,一般企業にて研究したほうが収入は明らかに良いです普通は.稀に稼いでいる教授が自然科学系にも存在しますが,一極集中するので,酷い有様です.

出ばなを挫くようですが,それを前提にしても大学教員になりたいという熱意がないと,突破する力が備わりません.余裕で成果を出せるケースなんて珍しいのです.

残念ながら,日本の大学教員の平均年収は,アメリカ等と比較すると数百万円ほど下回るようです.ただ,福利厚生とか,そういった点が異なるため,一概には大小は言えないでしょう.

ユーロ圏は日本と似たような悩みを吐露していたような…学生の気質も含め,なんだか日本に似ているので面白いものです.

 

まずは助教にならねばなりません.特に30歳前の助教の収入は酷いものです.ポスドクよりも待遇が悪い可能性もあります.恵まれた環境のポスドクの収入は,かなり高いのです.

助教は,任期付のことも多く,次の移動を考えねばなりません.仮に結婚していると,相当にギリギリの家計となります.独身だと楽かなとは思いますが,個人的には「能力があれば早くに結婚はしている」気もしないでもないです.理由は「自分以外のことにも気を回す行動力がある」ということかなと.

だから,学生は,誰かと付き合った方が良いでしょう.勉強しかできない,実験しかできない,といったように,成人していれば1つのことに集中して結果を出すのは当たり前です.

 

少なくとも助教で3年後あたりを見据えた引越費用を貯蓄せねばならないのですが,任期3年程度で他の助教職に移動すると,近場でなければ貯蓄は引越に費やされます.

講師や准教授への昇進を急ぎたいとは思いますが,こればかりは運です.成果を上げなければ昇進はありませんが,成果があっても椅子がなければ昇進不可能です.

 

なお,30代前半で准教授に昇進しても,給与が上がった感覚は,あまりありません. それでも助教時と比較すると,かなり余裕が出てきます.

教授に昇進すれば一般的に1000万円を突破すると思われていますが,若い頃は,そんなことはなさそうです.おおよそ35歳を越えた当たりで教授昇進したケースでも,データを見る限りでは,それほどの収入にはなりません.

それでも一般的な平均収入よりは多い,とは思います.しかし,その過程や仕事内容は反映されていません.物好きしかなれない職業です.人生設計がズタズタになるおそれもあります.数々のライフイベントを無視できる,研究に人生を投じる予定なら問題ないでしょう.そこまで割り切れる人は,ほぼいませんが.

大学教員を目指せ,というのは,かなりいい加減な発言です.数多くのうんざりするほどの綱渡りをした挙げ句に,その苦労に見合わない待遇です.人生に取り返しのつかないことになるおそれもあります.しかし,それを突破したとき,得られる満足感は…高いかなぁ? 優れた方々を見かけて常に劣等感を抱く不思議な仕事です,本当に.

 

独自の研究を進めることで「自分の世界観を構築したい」という人は,大学教員以外にありません.その世界観で一般社会に影響が生じれば見返りとしては最高ですし,そうでなくても「人材を育てて社会に送り出し,影響を与えることができる」という仕事です.

 

まぁ「100人の博士の村」でも見て,自分を奮い立たせましょう!

http://life-science-project.com/1169/

 

これは自然科学だけの統計ではないし,自分にそのまま当てはまるわけではありませんので,あくまでも情報として楽しむ…楽しめるかどうかわかりませんが…というものです.真に受ける必要はありません.でも,こんなの適当に決まっているので知ったことではない,とも考えない方が良いでしょう.

遠藤が修士に進んだときは,本当に「生きて出られないんでは」と感じたものです.仕方ないですね,EN研でしたし.

 

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