年度末から来年度にかけて

後ろ倒しになっていく…データ収集したら投稿できそうなものが3つです.そのうち2つは今後の軸になっていくであろう内容…個人的には面白い内容だと思うのですが,こういうのは着地するまでわからない.

その1つには投稿までそこまで厳しい関門はない.ただデータ量がまだ少ないだけ.

もう1つが先に出ると思っているものなのですが.理論計算も含めて少々手間取っている.というのも,研究対象の特徴が影響している.初期座標の話を前に書きましたが,これが癖ありすぎる.

綺麗な構造を初期座標にして計算かけると拡散していってconvergenceがいつまでもNoのまま.明らかにそれはおかしいだろ,という構造を叩き出すので途中で計算を止めるという繰り返しです.

最初にどうやって見つけてきたのか自分でも記憶にないのですが,おそらく最初は分子の構造を色々と変えて初期座標として計算したのですよ.結果としてうまく収束するものが見つかった.その関連化合物の計算では,どうにも怪しい計算結果にしかならなかったのですが,これもまた初期座標次第のようです.何度計算をかけても駄目だったので,もしやと思い初期座標を設定したところ所望の結果に落ち着きつつある.

これで終わりではないのですが.まだ計算過程からしてうまくいかない化合物が何個か残されている.実測値も見ないといけないので,それは学生が進めるとして…

懸念点の解消には,まだいくつかハードルあり.

もう1つは計算はほぼ絡まないので律速は合成などの実験.剛直な化合物とか材料なら良いのですけど,ソフトなので大変に悩ましい側面も持っている.測定・分析についてノウハウがないため完全手探り状態.最初の論文はそこまで細かい話をしなくても良いかもしれないなと勝手に希望を抱いているけど,どうかなぁ.

この様子だと3つ目が最初に出るかもしれないですね.こちらは再現性さえ確定してくれれば…OrgLettかJOCになると思います.

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研究とは難しいものです…自分の専門性を一貫させると正直つまらない…ではなくて,ほどほどで終わってしまうことが予想される.そのほどほどで,例えば「有機合成化学」であれば何でも良いという発想のもとに堅実な成果を積み上げることに魅力を感じないのでチャレンジを繰り返すのですが,周囲はそれをあまり求めていない印象ですね.無難に成果を出さないと…という雰囲気で,両輪を回すことで苦労しています.

チャレンジしていると評価はされないんですよね,その潜伏期間は.しかもチャレンジして,その結果が評価されるかもわからない.かなり時間を費やし評価されないのでは,確かに堅実な成果を求めれば良いかなと無難な取り組みになってしまう.

そう考えると,国立大の講座制の研究室の助教で入り教授の研究を進めながら何年もかけて独自研究を傍で進めて5〜10年後に開花する方式が非常に楽で良い.ただ確か早稲田時代に助教に応募した時,教授の研究を進めたいと書いてきた優秀な助教候補者がいたらしいんですよね…遠藤が割り込んでしまいましたが.遠藤が教授の研究を進めて成果に繋げつつ独立時のテーマを傍で研究していれば確かに楽だったか…?

たらればの話ですね.

当時は3年後に任期切れのため1年で成果を出さないとまずい,ということで余裕もなく,これから出していく論文の足固めが全くできていなかった,それが苦戦している理由です.

これまでとは異なる方向性を打ち出せるとは思うので,それがどの雑誌に掲載されても,まぁ良いかなとも考えています.自分が納得できる研究がベストですね.