11. sp3-sp3-Cross-Coupling

55

“Cross Coupling between sp3-Carbon and sp3-Carbon Using a Diborylmethane Derivative at Room Temperature”

Endo, K.*; Ohkubo, T.; Ishioka, T.; Shibata, T.*

J. Org. Chem. 201277, 4826–4831.

多くのクロスカップリング反応は,sp3炭素同士のカップリングを苦手としている.特に,アリル化,ベンジル化は,還元的脱離の段階に問題があることが知られている.たとえばアリル化は,リン配位子を有するパラジウム錯体を用いると,著しく阻害されることが知られているが,オレフィンのような電子供与能の低い配位子を有するパラジウム錯体が還元的脱離を促進する.しかし,オレフィン配位子では,ハロゲン化物への酸化的付加やトランスメタル化の段階を促進する力に乏しく,二律背反状態となり,これまで報告例は少なかった.我々は,ジボリルメタン誘導体を用いるカップリングにおいて,パラジウム錯体をスクリーニングした結果,カルベン配位子を有するパラジウム錯体がアリル化に有効であることを明らかにした.また,ベンジル化は,これまで用いている一般的な錯体でも問題なく進行することを見出した.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です