自制

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プレスリリースを大々的に報じたメディアも片棒を担いでいることは間違いありません.一方で,プレスリリースを制御できなかった理研にも問題はあるのでは.

研究内容,問題点などが正確に理解できないまま,単なるゴシップと同等の情報で振り回し,大衆化した問題が余計な評価を与えて混乱を招いている,その結果です.

あれだけ雑音に振り回されて平常な研究者はいないでしょう.何が決定的であったかは,当人にしかわからないと思いますが.

 

論文のretractionは,大量にあるのです.今回のものが,その1つに過ぎなかったとも言える.その問題点の度が過ぎていた,ということは確かとしても.

けっこう酷いretractionもあります.だからといって著者らが社会的に徹底的に追いつめられるということは,それほど多くないでしょう.たまに,かなり揉めているという情報は流れてきますが.

 

他の事例でも日本人は徹底究明するつもりでしょうか.STAP細胞は徹底糾弾して,他の件はどうでも良い,そんな二面性は受け入れられないでしょう.

同様に徹底究明しようというならば,個人的にも納得できます.そこまで執着して究明できないのであれば,STAPの件も,一般の振る舞いとしては落としどころがあったのではないでしょうか.

STAPが,ただ祭り上げられただけ,そんな終わり方ではいけません.

 

仮に今回の件でプレスリリースが,大半の研究成果のプレスリリースと同様に半ばスルーされていれば,どうなっていたか,ということも考える必要はあるでしょう.

いずれにせよ,論文内容は,他の研究者によって吟味され,再現実験も続くのです.結果として今回と同様の疑惑が浮上したことでしょう.しかし,現在市井で揉めているような状況にはならなかった可能性が高いです.

プレスリリースで気を引けば,何らかの経済効果になる,報道により目立つことで利益がある,という単純な発想も,どうにかしたほうが良いですね.

研究を粛々と進めることが,本来の希望でもあるのです.今回の件も限りなく「基礎」という段階で,本来なら,もう少し踏み込めた段階で広く潜在性を認知してもらうべきであったのでは,という気はします.

 

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