休み明け

KC4D0125

とりあえず出かけました…個人的に興味があるかどうかは話が別なので行き先については色々です.

 

STAP関連問題で改めて明るみになってきていますが,世の中への貢献に直結するような研究内容は反動も大きい.役立たないものがあるか,という疑問には答え難いですけど.

一般の方々だけではなく,研究者自身も混乱している気もしますね.研究の本質は,何かに直接役立てること,ではありません(と個人的に考えているだけで,このご時世では,それは通らないという事実もあります).役立つか役立たないかは後世が判断すれば良い.ただ,些細なものと思われる内容でも,実際に後世の研究者が活用することは多いでしょう.

遠藤の研究の最終目標は酷く個人的なものです.本当に「○○に役立つ!」となるかは,研究が進めばわかることでしょう.

無論,その過程において役立つものを作り出そうとします.最近では,大学で特許を取得することが推奨されるように,営利的な意味合いも増しつつあります.しかし,実用的な研究に絞り込んで取り組む必要がない,これは学術的な研究の重要な側面であったのです.

学術的な側面で虚勢を張る必要は個人的には特にありませんし,個人的な満足感のための研究でもあるので捏造をすることに意味はありません.それは,自分の到達目標を損ねるだけの自傷行為に該当します.

 

「これは極めて世に役立つ」という自負,もしくは思い込みによる問題は,自らに跳ね返る.ということで,結局,今回のSTAP関連騒動とは何をしたかったのか今の時点では見えてきませんね.

個人的な究極目標への第一歩が,自らの目標への道を閉ざすものであるなら,本末転倒なので研究者として手を出すものではない,というか自分を殺すに等しい行為だから正常な精神状態にも思えない.その判断が損なわれていたなら,やはり何らかの利害において盲目的になってしまったと思われてもおかしくはないのですね.

しかし,今回の件は単なる利益のためだけに手を染める内容とは思えません…

いずれにせよ,結論が出ても,疑問は多く残りそうですね.

 

 

さて,休み中に関係者に会って聞いた事を,学生の皆さんにも一部公開しておこうかと思います.社会に出た後に現実に触れてダメージを負っている人も少なくないようですので.

某有名企業では30歳でリストラ対象になるそうです.博士でも修士でも関係ありません.博士の方が評価は厳しいそうです(ただEN研に比べると全然とか).同期であっても給与に大きな差が生じるようです.東大出身者でもリストラに遭っているそうです.

「そんなことか」と思った通り,という学生の方もいらっしゃることでしょう.そうです,どうやら普通に我々が予見した通りか,もしくは,それ以上に「典型的に厳しい」という状態です.

 

比較対象として登場するEN研についてですが,遠藤が学生の頃の感覚しかないので現在はどうか,そこまではわかりません.

ただ,EN研を出て民間企業に就職した人,大学教員になった人,一様に聞く言葉は「EN研のようにやると誰もついてこない」ということです.

うーむ,まるで「すき家」のような展開ですね.そこまでたいしたことはしていない,つもりです.

ただ我々は,実際に問題となる前に諦めて力を緩めてしまいます.追い込む意味も特にありませんし…

卒業後のことを考えると,心を鬼にしてでも鍛え上げるべきか,と思ったり思わなかったり悩みます.

 

この手の文化の違いのようなものは,どの系列出身かにもよります.ただ,民間企業にも,かなり厳しい視点から仕事に取り組んでいる人も少なくはないだろう,ということは予想可能です.

仮に「上司に馴染めない」という場合は進言する必要もあるだろうし,もしかしたら何も問題はないレベルという判断が下るかもしれません.

 

学生の皆さんは,どう感じるでしょうか.多くの学生は「この大学出身で,このレベルの企業であれば問題ないだろう」と妥協した考えを持っていませんか?

それは遠慮なくリストラの対象になりえるということです.

 

なお,民間企業では,研究者の労働時間は管理されますし,残業も最近はできなくなってきているようです.そのため,プライベートの時間を仕事に投じるとしても,家で処理できることに限られてしまいます.

ほぼ等しく与えられた時間内に,どれだけの成果を上げるか,これは簡単なこととは思わないほうが良い.大学では,根性論で解決してしまうことも少なくありませんので.

 

というようにアナウンスしても,何かが変わった試しはないのですよね…学生の心の内は読み取れないものです,本当に.

遠藤も学生でしたが,確かに当時の考えがよくわからない…

 

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