6. Chemoselective and Regiospecific Cross-Coupling of Diborylalkane
“Chemoselective and Regiospecific Suzuki Coupling on a Multisubstituted sp3-Carbon in 1,1-Diborylalkanes at Room Temperature”
Endo, K.*; Ohkubo, T.; Hirokami, M.; Shibata, T.*
J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 11033–11035.
鈴木宮浦クロスカップリング反応は,炭素ー炭素結合形成法として高い信頼性を示す.しかし,その例の多くは,アリールホウ素,アルケニルホウ素化合物を用いるものであり,アルキルホウ素化合物を用いる例は限られている.特に,厳しい反応条件が必要であり,様々な副生成物の要因となっていた.我々は,ジボリルアルカンを用いる鈴木宮浦クロスカップリング反応が,室温条件下で進行することを見出した.反応は水酸化カリウムを塩基として用いると円滑に進行し,化学選択的に,ベンジルホウ酸エステル誘導体を与え,連続カップリングは進行しない.また,位置異性体も生成することがない.DFT計算により,1つの炭素原子上における2つのホウ素原子の協同作用が効果的に働くことを明らかにした.