目移り

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年会の時期は難しい.個人的には,調子が思いっきり狂うので,学会そのものが苦手であったりします.

要旨集に目を通す,発表を聞いてみることで,確かに新しい情報に触れて刺激にはなります…ただ,これは人によって異なるかと思いますが,遠藤の場合は,他からの情報によりインスパイアされたものは問答無用で捨てます.

それが,確かにインパクトある論文になりそうな場合でも.他者からインスパイアされる = 他の誰かも同様に気づいている可能性が非常に高い.

何をもってして「他からの情報」とするか次第ですが,遠藤の場合は「ここ最近10年くらいの論文」「学会で得られる情報」などでしょうか.だから論文を見ていて,ガッカリすることは多い…自分の独自性かと思ったら,既出であることが大半なのです.

教科書的なものは受け入れるほかありません.そのため,学会などで得られる「自分は知らなかった基礎」については価値がある.ここに注目して話を聞くようにしています.

 

ところが,自分なりに考えて後ほどに同じ結論に到達することもあります.どうしても他者の関わる情報にインスパイアされたものには,自分の独自性という意味で疑問を目を向けてしまい,自分なりに考えたとしても同じ結論に至るまで,余計に時間がかかるのが本当にネックです.となると,聞かない方がマシだった!なんてことは,けっこうあります.

これが自分のグループの学生から出てきたアイデアなら良い.良いけど,そこまでのブレイクスルーは珍しいですね.

 

基本的には単調に同じパターンで研究に取り組むことがベストです.学務等の雑用は手間ですが,時間が細切れになるなら,まだマシですね…学会は数日の時間を要することが多い.このパターンが崩れると体調も微妙に変化してしまうものです.

 

学生の皆さんも「何が自ら生み出した発想か」という分別がつけられるよう,注意しながら,学会には臨みましょう.

研究者を目指すなら,他者の生み出したHot Topicに感化されるべきではありません.それは1つの情報として捉え,唯一無二を目指す学生が現れることを期待したいところです.

人間,権威には弱いので,なかなか大変です.学生の間は何の事かわからないかもしれませんが,社会に出ると,重くのしかかってくるものです.

それでも「感化型研究者」が,キャリアを突っ走って行ったりするものです…すると,あれでも良いのかなぁと迷いが生まれたりしますね.つまり誘惑に負けずに徹底していける研究者は,裏では散々に足掻いている一方で幸運でもあると思います.

 

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