論文化への道

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実験が「もう収束した」と判断してから,どれくらいで論文になるでしょう.

遠藤の場合は,収束したと考える以前に「方針が決まった」と判断した時点で論文を書いていることが多い.イントロから書いて,方針が決まった時点で結論が決まります.これは当たり前とも言えます.

将来的な研究の流れを生み出す際に,同様の段取りが必要になります.

 

研究を開始した時点で,既に結論が決まっていることも少なくありません.つまり,結論が見えていない場合,そもそも研究の意義が不明瞭であることが多いので,研究のインパクトさえ予想不能となってしまう.

こうなると迷走した挙げ句に,何年経過しても,収束の面影さえ見当たらない研究になる.

ちなみに「さきがけ研究」は,かなり迷走しそうで当初から怯えており,ようやく方針が定まりつつあるのですが先は長い.数ある候補のなかから,時間,人手などの都合により,ピンポイントで成果を出すのは,難しいのです…

マルチメタルの初期も「何を基準にすれば良いのかわからない」ので,かなり不安ではありました.たとえば,最初のヒドロホウ素化に関する論文は,それほど重視されていませんが,個人的には苦悩の末に出たもので,思い入れが深かったりします.

 

収束したと判断した場合,細かいデータ集めが始まります.本来なら,このデータは1週間ほどで集まるはずですが,だいたい細々とミスがあり,2週間以上かかり,場合によっては1ヶ月に到達するかもしれない.とはいっても,最悪でも1ヶ月で終わりにしたいものです.

仮に,収率などのデータが,物性値のデータ以前に集まっていれば,ほぼ論文本体は完成.Supporting Informationのための物性値などの収集が終わる頃には,英文校閲が済んでいる,というのが良い.

となると,順当な流れならば「収束した」と判断してから1ヶ月程度で投稿まで進みます.確かに,手際よく進む場合は,1ヶ月もかからない.

 

ただ,よく巷で聞くのは(金沢大学以外でも)1年経過しても論文投稿していない,というケース.忙しいという理由だけで,そのような長期間に渡り放置することは,本来ならないはずです.

幸いなことに,今のところ,我々のグループでは,上述のサイクルで論文としています.なかなか完全収束させるのが難しいことも2割くらいあります.ただ,学生に検討させているものは,収束することがわかっているケースが多い.先を越されたりしますが.

収束する予見が立たない場合は,遠藤が一人で悶えています.この難産っぷりは,本当に大変です.

 

あとは今回のように,投稿するタイミングが難しいケースもありますね.論文は完成した,だけど投稿まで少し期間を置かねば…ということもある.

いずれにせよ,とにかく完成させることが重要です.ささっと出して,とどめを刺したいものです.

 

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