神頼み
2013/09/21
コンセプトが突き抜けている試み「スマホ放り投げ」.まさに神頼み…で,大半失敗.
この発想は興味深い.通常なら,アホらしくて誰もやらないようなことに,価値を与えて誘導してしまう.研究と共通点がありますね.
http://wired.jp/2013/09/19/send-me-to-heaven-app/
それは良いとして,科研費の申請季節がやってきました.科研費は神頼みでは困ります.
さきがけも残り半年だなぁと思うと,色々と去来するものがありますが,ほとぼりが冷めた頃に,このサイトにて,どういうものであったかを詳細に(問題がない程度に)解説しようかと思います.
科研費は,比較的,自由度の高い研究費,かと思います.若干,金額設定が微妙ではありますが…
自然科学系では,若手Bや基盤Cは,研究グループ運営には向いていない規模です.
助教の期間は「若手B:2~4年間で500万以下」や「基盤C:3~5年間で500万以下」でも耐えられる…と思います.ただし間接経費が抜かれるため,年間150~180万が上限になります.
より金額の多い研究費に若手から申請する理由は,実利的な意味だけではありません.微妙な意味合いとしては「特に最近,研究費を稼ぐ研究者を大学人事は評価する」らしい,ということです.
講座制であれば,教授が存在すれば准教授でも,なんとかなるかもしれません.しかし,研究室の頂点に立つと,年間150万は,あっさり吹き飛びます.どうにか「基盤B:3~5年で2000万」あたりを獲得しなければ,研究室を運営することが難しい.
そのため,独立するなら,その前から基盤Bクラスを獲得したい,ということになります.人事以前に,研究室が回らなくなるためです.
また,若手のうちに,機器類を,ある程度は揃えておきたい,という願望もあります.
研究室を運営しようとすると,基盤Bクラスでも,ほとんど消耗品に費やされてしまい,高額だけど自分で管理したい機器類を購入する余力がなくなると,推察されます.
ところで,研究費獲得の際に,何が評価されているかは,実際のところは曖昧です.
個人的に評価しようと考えたときは,論文の数などではなく,何を目指しているのかを重視するかとは思います.現在の研究の枠組みのなかで「高難度」よりも,枠組みの外側に飛び出しているものを僕は好みます.
このような目標を掲げる研究は,多くはありません.ただ,説得力のあるアプローチ法を捻り出さねば,一蹴されるという危機感が常につきまといます.研究に取り組んでいて面白いとは思えない理由は,その苦悩の日々にあります.
しかし,Hot Topicであり,インパクトファクターの高い雑誌に掲載連発していても「典型的で面白みがない」研究は多い.「この戦略で,基質を工夫して,試薬や触媒を変えたら,同じように成功して面白い化合物が得られた」では,「貴方が取り組む意味がある研究なの?」となることが多い.
それは個人の力量というより,Hot Topicの価値なのです.そのため,個人の力量はHot Topicという鎧を着用している状態では量れません.
もちろん,そういう典型的な枠組みのなかでも,とんでもない切れ者がいます.それが多くの場合は有名人です.
たとえば「天然物合成は重要」ということは誰でもわかっています.そういった凡庸な一般論だと「またこれか」というイメージに終わるでしょう.
と,いうことで,やはり自分の言葉で相手を納得させたとき,採択に至るのかな,とは思います.それがHot Topicの一員であるとしても,他人が持っていない価値観を提供することが可能なら,高い評価につながる.
残念ながら今のところ,僕はHot Topicでは戦う力がありません.一方で,新しく切り開く方向でも戦う力があるかどうかは,いまだに不明です…
