自転車操業
息子が掴まり立ちをするようになり,しばらく経ちます.そしてたまに,無意識で,何かに手を伸ばして,勢いで一,二歩くらい歩いているのですが,本人としては歩いているつもりはないらしく,そこから進展はありません.
遠藤が床に座っていると,よく背後に回り,背中を叩いてきます…肩車とかおんぶするようになってから,アピールしてくるような.
児童館とか二人だけで行くと,父親の姿は基本的に珍しく,奥様方の中に突入するのは精神的ストレスですね…
父親が育児に参加しにくい雰囲気というのは,このあたりにもありそうですね.
〆切を1つ終えたと思えば次の〆切が迫る.
何が求められているのか,よく認識できない書類作成依頼もたまにあるし.
ということで,招待論文の〆切に間に合いました.受諾しておいて,間に合いませんでした,というのはまずい.
この時期は書類作成が延々と続いて終わりが見えません.この様子だと3月に入らないと収束しそうにない.
卒論,修論関係以外にも,色々と.
金沢大でも感じたことですが,異動して3年ほど経過しないと,その大学での恒例イベントに馴染めないものです.
会議で何が話題になっているかも把握できないし,基本的に情報を受け入れるだけで飽和状態となります.
何か行動するにも不慣れだと変なストレスがかかる.
そういう状況でも研究を進めていかねば…おそらく5年ほどかけて,バラバラとネタを展開します.
ネタの筋の良し悪しを判断する必要もありますが,最初は「論文を出す」というサイクルを作らねばならない.
しかしネタを考え込む時間を確保することも難しい,という大学教員の実情が見えてくるわけです.
極端な話では、1つインパクトのあるものが出れば、それで良いという説もあります.
が,そこまでにダメージを負う学生も少なくはない.
さて,Chem. Asian. J.に掲載されました.http://endorg.secret.jp/wp/?page_id=16
このネタはカルベノイドに対する有機金属試薬の”付加”反応を念頭に置いてはいましたが…詳細なメカニズムは,はっきりしません.
一方で,シクロプロペンからカルベノイドが発生するなら,他のアルケンと反応してシクロプロパンが生成するだろうと,検討してもらって数回で検討を止めてしまったというネタです.
1年後くらいに,Angew. Chem. Int. Ed.に他の研究者がZnCl2を用いて報告していました確か.
やはり「もしかしたら,これ進行するのでは?」という印象をもったものは,まず間違いなく進行する,ということです.頻繁にあるわけではありませんが,何度か経験はあります.
これは遠藤がそうだというわけではなく,個人差があるかと思いますが,そのような印象を持つことはあるはずです.その印象を持ったとき,躊躇せずに徹底的に検討させる,ということが必要でしょう.
自分で実験をまとめて進められれば良いのですけど,ここ最近は,まったくダメになってしまった.ということで,学生の皆さんは,数回の検討などで判断せずに,言われたことは徹底的にやったほうが良いです当たり前ですが.
他の人も同じネタを考えている可能性が高いので,考え付いたらすぐ手を動かさないと,競争には負けます.
しかし,他人が思いつくようなアイデアを,自分でやる必要ないんじゃないか?…とも思うのですよね.ここで自分のなかでも葛藤が生まれてしまうわけです.