不純物に要注意
論文審査を慌ただしく終えたものの…一見すると悪くない内容で,結果だけ見れば,それなりに新規性も含まれているのでOKかと思っていたら.
Supporting Informationは重要ですね,改めて.
本文中での主張と,SI中での条件スクリーニングの結果に矛盾気味な部分があるけど何も触れていない.
それよりも結局,NMRスペクトルに,かなりの強度で不純物ピークが見えるのに平然と添付しないで欲しい…これでは論文内容以前にrejectされる可能性が高いです.
条件については何らかのポイントがあってもおかしくないけど,ガッツリ不純物は,もうどうしようもない.
内容が素晴らしくても,不純物は除去してくれ,と言うはずです.むしろ,その点にコメントしないと「審査員として目が節穴」と思われてしまう.
NMRのベースラインの一部に少しギザギザが見える程度なら,まぁ仕方ないかな?と思うものですが,1:10くらいの強度比になると,お手上げです.
水であったり,若干許容範囲というレベルの場合もあります.これは状況によりますね.
我々も,不純物の除去に一部で苦労してきました.同じ化合物を別方法で合成している過去論文があるのですが,なぜか,まったく同じケミカルシフト値に不純物ピークがある,ということも.
ガッツリ不純物が含まれているNMRチャートが,インパクトファクター6程度の雑誌に掲載されているのが不可解であったりしますね.審査の過程で指摘を受けなかったのだろうか.
とはいえ,いくら除去しても,NMRスペクトルの縦軸を思いっきり拡大すると,それなりに見えてくるのですよねぇ…
特に13Cで明らかにピークと認識されるようなものは完全にアウトです.ベースラインに埋もれ気味の不純物ピークがあるときは改善を希望するくらいで,Assoc. EditorがOKと判断すれば通るのかと.
注意したいのは,グリスとかプラスチックの可塑剤.けっこう出てきます.可塑剤は特に,予想外のところにピークとして出てくることもある.そのため反応由来の不純物かどうか判断しかねることが多い.
かなりケアしようという意識があれば,どこから不純物が混入するか警戒するため,最初から綺麗なNMRスペクトルになるものです.
つまり出自の謎な不純物について,普段からのハンドリングに注意しているかどうか,実験テクニックの問題が露呈してしまうこともあります.
ジアステレオ選択的、レジオ選択的な反応などでは,ちょっとしたピークが気になってしまうものです.Single diastereomerだ!と書いてあるほど疑わしい.
学生の皆さんも,とにかく純度は上げてからデータを持っていくようにしましょう…教員チェックで跳ね返すので,二度手間三度手間になるだけです.
さて,テニスのランキング1桁あたりでも,普段からテニスをチェックしている人でなければ認知されていないものですね…テニスを追いかけていると,トップ50くらいの名前は言えなくても聞いたことはあります.
WOWOWには加入していないので,決勝は視聴できず…小さい大会の1回戦からチェック しているので,加入して視聴しても良いのかもしれないけど,時間が押してしまう.
せいぜい2つくらいですね,趣味として取り組めそうなものは.