4. Multinuclear Cu-Zn-Complexes
“Multinuclear Catalyst for Copper-Catalyzed Asymmetric Conjugate Addition of Organozinc Reagents”
Endo, K.*; Ogawa, M.; Shibata, T.*
Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 2410–2413.
highlighted by Synfacts, 2010, 679.
複数の活性部位を有する触媒の有用性が潜在的に示されていたが,対称型の等価な反応部位を有すると考えられる,複核金属錯体の機能はあまり知られていない.単核錯体に劣る触媒機能を示すことが多いため,その研究への意義付けが明確ではなかった.本研究で我々は,亜鉛原子で連結した配位子に対して,銅塩を作用させることで,複核金属錯体を調製した.さらに,本触媒を用いる,有機亜鉛試薬の不斉共役付加反応の開発に取り組んだところ,従来の数百倍程度の触媒活性が得られることを明らかにした.さらに,生成物を高立体選択的に得ることに成功した.